鋼鉄の人、スターリン3 - 中学生のための、よくわかる歴史

鋼鉄の人、スターリン3

yamamira
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鋼鉄の人、スターリンの第3回目です。
最後となる今回は、スターリンの死、そしてその後の世界に残った傷跡について見ていきましょう。

五か年計画は多くの国民の犠牲により、一応の成功を収めました。
ソ連は重工業の発展に成功し、欧米諸国と対等の力を得ることになったのです。

世界初の社会主義革命国家ソ連の躍進は、ここから始まって行きます。
一方で、国民を犠牲に国家の発展を目指すスターリンに、妻ナジェージダは、その命をもって諫(いさ)めようとしました。
しかし、スターリンにとって、自分を批判する者は、ただの裏切り者です。
妻の死さえも、スターリンにとっては、ただの裏切り行為だったのです。

ソ連にとって大きな転機は、ドイツの裏切りでした。
独ソ不可侵条約を一方的に破ってきたドイツ。
しかし、劣勢は強いられたものの、その後のスターリングラードの戦いでドイツに勝利したソ連。
第二次世界大戦の戦局は、スターリングラードの戦いで大きく揺らぐことになります。

ヤルタ会談

ヒトラー率いるドイツは、ソ連相手に苦戦することなど考えてもいなかったのでしょう。
一方的に独ソ不可侵条約を破り、ソ連領土へ侵攻したドイツ。

しかし、スターリングラードの戦いで、ドイツはまさかの敗戦を喫します。
この敗戦により、ドイツは最悪のカードを引くことになってしまいます。

それは、ソ連とイギリスの接近というカードです。

イギリスとソ連は、ドイツを共通の敵とすることで一致しました。
ドイツは東西を敵に包囲されることになります。

さらに、第二次世界大戦を終結させるための歴史的会談が行われます。
連合国は「ドイツは間もなく降伏するであろう」とにらんでいました。

その後の問題は日本です。

ここで日本にとどめを刺す会談が行われます。
ヤルタ会談です。

ドイツの西側をイギリスら連合国が攻める代わりに、ソ連の対日参戦が決定しました。
ソ連の参戦は、日本にとっては大きな痛手となりました。

日本とソ連は不可侵条約を結んでいたため、結果的にソ連が一方的に条約を破ることになります。

ただ、元々ドイツが一方的に独ソ不可侵条約を破ったがために、ソ連とイギリスが接近したのです。
ドイツと三国同盟を結んでいた日本が、ソ連にそのような仕打ちをされても致し方なかったのかもしれません。

冷戦後、世界に残った傷跡

第二次世界大戦は、ドイツの一方的なソ連への侵攻により大きく戦局が動きました。
ヒトラーの戦略的な詰めの甘さとも捉えられますが、それだけ冷静な判断力を失っていたのかもしれません。
戦争は長期戦になれば国力がモノを言います。

資源に乏しいドイツや日本は、ギリギリの戦いでした。

そのような中、第二次世界大戦のソ連の参戦はドイツ、日本にとっては大打撃だったのです。
ドイツは連合国とソ連から挟み撃ちを受けることになります。
西側からは連合国が、東からはソ連がじわりじわりとドイツ領内に進出し、とうとうドイツは降伏します。

ドイツ領は連合国の西側、ソ連の東側で分断されてしまいます。
こうしてヨーロッパは西側陣営と呼ばれる資本主義陣営と東側陣営の社会主義陣営に分断されることになります。

1945年、日本が降伏し、第二次世界大戦は終結します。
その後世界は大きく動きます。

1949年、ドイツは、同じドイツでありながら資本主義の西ドイツ社会主義陣営の東ドイツに分断されます(東西ドイツの誕生)
首都ベルリンも2分され、大きな壁が作られました。
これがベルリンの壁です。

同年、内戦に勝利した毛沢東(もうたくとう)率いる共産党が中華人民共和国を建国。
アジアに強大な社会主義国家が誕生しました。
社会主義陣営はヨーロッパのみならず、東アジアの大部分をも占めるようになります。
こうして資本主義対社会主義の冷戦状態が続くことになります。

現代では既にソ連の崩壊とともに冷戦は終結しています。
しかし、私たちに身近なアジアでは、大きな傷跡を残したままとなっています。
それが朝鮮半島の2分割です。

北朝鮮と大韓民国

朝鮮半島は元々日本の統治下にありました。
ヤルタ会談でソ連の対日参戦が決まり、満州や朝鮮半島にまでソ連が侵攻してきました。
日本軍は撤退を余儀なくされます。

その後日本は降伏することになりますが、ここで懸念したのはアメリカです。
朝鮮半島をソ連に占領されてしまっては、社会主義国が日本のすぐ隣に誕生することになります。

それを良しとしないアメリカは、朝鮮半島に積極的に介入していきました。
こうして出来たのが北緯38度線と呼ばれる南北の分断線です。

北は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、南は大韓民国(だいかんみんこく)です。
社会主義陣営資本主義陣営です。

朝鮮半島を統一したいと考えるのは、朝鮮人にとっては当然のことです。
この考えが後の朝鮮戦争を引き起こすことになります。

しかし、当時、アメリカは唯一の核保有国であり、その威力は広島への原爆投下で世界周知の事実でした。
南の大韓民国を支援するアメリカと敵対することは時期尚早(じきしょうそう)である。
それが各国の考えでした。

ところがその考えが一変する出来事が起こります。
スターリンが核開発に成功したのです。

1949年のことでした。
アメリカと対等に渡り合えると確信したスターリンは、北朝鮮のキム・イルソン(金日成)に積極交戦を促します。
中国、アメリカ、朝鮮半島、そして日本を巻き込んだ戦争が勃発します。
朝鮮戦争です(1950年)

一進一退の攻防により、結局朝鮮戦争は停戦という形で今現在も進行中です。
朝鮮半島の2分割状態は、今なお冷戦の傷跡として残ったままなのです。

詳しくは下の記事の今なお続く朝鮮半島の停戦状態をご覧ください。

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スターリンの死

ロシアの社会主義革命から始まり、世界を翻弄してきたスターリン

しかし、鋼鉄の人も病気には勝てませんでした。
1953年、スターリンは夕食の後、寝室で倒れました。脳卒中と言われています。

この時、早期に発見されていれば一命は取りとめていたかもしれません。
しかし、発見されたのはだいぶ時が経ってからでした。

実は、スターリンは最後まで暗殺を恐れていました。

そのため数か所の寝室を持ち、その日ごとに寝室を替えていました。
鋼鉄の扉を内側から施錠すれば、警備員が持つ、ただ一本の鍵でしか開錠出来なかったそうです。

いつもより起床が遅いスターリンを、警備員は不審に思いました。
しかし、下手に声をかけて怒りを買うことを恐れ、午後まで様子をみてしまったのです。

こうして発見が遅れ、重篤化したスターリンは数日後、静かに息を引き取りました。

人を信じることができなかったスターリン。
それが結局は自分の死期を早めることになってしまったのです。

「鋼鉄の人」を自らに課したスターリン。

もっとも苦しんだのは、スターリン自身であったのかもしれません。

スターリンとその評価

簡略的ですが、第3回に渡り鋼鉄の人、スターリンの人物像に迫ってきました。

端的に言えば、冷酷非情な男としか言いようがありません。
しかし、記事中でもお伝えした通り、スターリンは「鋼鉄の人であり続ける」使命を自分に課していました。
その孤独と苦悩は、我々からすれば想像を絶するものだったのではと思います。

実は、今、あれほどの非道を尽くしてきたスターリンを再評価する動きもあります。
社会主義革命をレーニンと共に成功させ、強国ソ連を作り、第二次世界大戦の戦勝国となり、戦後はアメリカと対等に渡り合う力を持ったことは、スターリンの指導力によるものです。

国家の成長にのみ視点を合わせれば、スターリンの評価は確かに高いです。

しかし、罪のない人々を粛清してきた事実を忘れてはならないでしょう。

痛みの伴わない改革は理想論かもしれません。
ただ、その理想に近づくことはきっとできるはずです。

私たちにできることは、この悲劇の上に立ち、二度と同じ惨劇を繰り返さないことです。

第3回にわたる鋼鉄の人、スターリンでした。

ヒトラーと同じ時代の人だからか、ちょっと影が薄いですけど。

サラッと話を聞いただけでも、恐ろしい・・・。

レーニンと共に社会主義革命を成功させ、ソ連の建国に貢献したスターリン。
レーニン死後は、ソ連の最高権力者となるためあらゆる策を講じていきます。

力のある共産党幹部を失脚させたり、時には処刑したり。

奥さんや息子も先に死んじゃったね。

密告を恐れる毎日は、本当に辛い日々だったと思います。

ドイツが一方的にソ連を裏切ったけど、結局自分の首を締めちゃったね。

日本もソ連の大戦介入で、窮地に陥ります。

朝鮮半島の分割が、冷戦の傷跡だとは知りませんでした。
いまだに未解決なんですね。

鋼鉄の人も、死ぬときは一緒なんだな。
一人で何を思ったろうね。

ひとつの国家を強力に引っ張って行く。
その孤独と苦悩は、理解し難いことです。

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