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おもしろすぎる古事記の世界⑥

スサノオから出雲の国を譲り受けたオオクニヌシには国造りの才がありました

オオクニヌシの努力もあり、出雲の国はどんどん豊かになっていきました

出雲の国が発展していく様子を見て、自分のものにしたくなった神がいました

天照大神(アマテラスオオミカミ)です

高天原(たかあまはら)から様子を伺っていたアマテラスは、自分の子に出雲の国を治めさせたくなりました

そこでアマテラスは、自分の子たちを次々に出雲の国に遣わし、オオクニヌシに国を譲るように要求してきます

古事記

上巻の物語はいよいよクライマックス

物語は有名な海幸彦山幸彦のお話

そして浦島太郎のベースになったお話へと進んでいきます

出雲の大社(おおやしろ)

アマテラス

は幾度となくオオクニヌシに使者を遣わし、出雲の地を譲るよう迫りましたが上手くいきませんでした

最後にタケミカヅチノカミが遣わせられた時に事態は急変します

タケミカヅチは剛腕の者です

対するオオクニヌシサイドではタケミナカタが登場します

タケミナカタ

は武将でしたので、タケミカヅチと一戦交えることを望みました

結局、タケミナカタタケミカヅチと戦い敗れてしまいました

こうして出雲の国はアマテラスに譲ることになります

ただ、条件としてオオクニヌシは国を譲る代わりに自分を祀る宮殿を建てるようにアマテラスに要求します

こうしてできたのが出雲大社(いずもおおやしろ)です

天孫降臨(てんそんこうりん)

アマテラス孫であるニニギノミコトに出雲を託すことになります

こうしてニニギノミコトは、猿田彦(さるたひこ)という道案内の神に連れられ

地上へ下っていくことになります

有名な天孫降臨(てんそんこうりん)という出来事です

ニニギノミコトは、アマテラスから授けられた三種の神器を手に高千穂に降り立ちました

地上に降り立ったニニギノミコト木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)と出会います

このコノハナサクヤヒメは非常に美しい神で、ニニギノミコトはすぐさま婚姻を申し込みます

その話を聞いたコノハナサクヤヒメの父、大山津見神(オオヤマツミノカミ)はたいそう喜び、コノハナサクヤヒメの姉の岩永姫(イワナガヒメ)も一緒にと差し出しました

かつては一夫多妻制が当然の時期があったのです

しかし、コノハナサクヤヒメに比べ、イワナガヒメの風貌は醜く、ニニギノミコトイワナガヒメとの婚姻は断りました

コノハナサクヤヒメは美しいが花のようにはかない命、イワナガヒメは末永い寿命を持っていました

イワナガヒメとの婚姻を断ったことで、天皇の寿命は短くなったとされています

さて、コノハナサクヤヒメと婚姻したニニギノミコトでしたが、コノハナサクヤヒメは一夜にして身ごもりました

本来喜ばしい話なのですが、ニニギノミコトは非常に疑いました

実は他の者との間にできた子供ではないのか?

疑いの目を向けられたコノハナサクヤヒメは一大決心をします

命がけの出産を敢行したのです

命がけで無事出産できたならば、間違いなくアマテラスの血を引くニニギノミコトの子だというのです

産屋に入ると、コノハナサクヤヒメは周りに火をかけ、まさに命がけの出産を敢行しました

燃え盛る産屋で、見事コノハナサクヤヒメは3人男の子を生みました

火照命(ホデリノミコト)、火須勢理命(ホスセリノミコト)、火遠理命(ホオリノミコト)
です

火遠理命(ホオリノミコト)は別名を彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)と言い、神武天皇の祖先にあたる方です

海幸彦(うみさちひこ)、山幸彦(やまさちひこ)

昔話でもお馴染みですのでご存知の方は多いと思います

海幸彦、山幸彦の物語

コノハナサクヤヒメが命をかけて出産した子たち

火照命(ホデリノミコト)

は海で釣りをし、彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)は山で狩りをして過ごしていました

彼らが海幸彦山幸彦です

ある日、山幸彦は、兄の海幸彦

お互いの道具を交換して仕事をしてみないか

と提案しました

こうして、山幸彦は本来の狩りをせずに釣りを行い、海幸彦は釣りをやめて狩りを行いました

ところが、山幸彦海幸彦の釣竿を使っても一向に魚が釣れません

それどころか、海幸彦の大切にしていた釣り針を海の中に落としてしまいました

山幸彦は謝り続け、代わりの釣り針も準備しましたが海幸彦はとうとう許してくれませんでした

山幸彦は釣り針を探しに海へ旅立ちました

海を司る大綿津見神(オオワタツミカミ)の宮殿へたどり着いた山幸彦は、豊玉姫(トヨタマヒメ)と出会います

トヨタマヒメオオワタツミの娘で、美しい姫でした

お互いはすっかり惹かれ合い、結婚して楽しく暮らしました

楽しい暮らしを送る中、ある時山幸彦海幸彦の釣り針のことを思い出します

海幸彦の釣り針のことを話すと、オオワタツミはすぐに見つけてくれました

こうして海幸彦に釣り針を返した山幸彦でしたがいっこうに許されることはありませんでした

困り果てた山幸彦は、オオワタツミに教わった呪文を唱えました

すると、海幸彦はあろうことか大得意であるはずの海でおぼれそうになったり、不漁続きになったりと散々な目に遭いました

とうとう海幸彦山幸彦に謝罪し、和解しました

海幸彦に勝利した山幸彦の家系が、今の天皇家につながっていきます

亀を助けたお礼に竜宮城へ行き、たいそうもたなされた後に玉手箱をもらい帰郷する

浦島太郎のお話は、この山幸彦の物語が元ネタになています

そう、つまり山幸彦こそ浦島太郎なのです

豊玉姫(トヨタマヒメ)の出産

山幸彦海幸彦と和解した後、トヨタマヒメはいよいよ出産の日を迎えます

トヨタマヒメは、産屋に入ると、山幸彦に絶対に覗かないで下さいと言い残します

しかし、山幸彦は約束を破って覗いてしまいました

トヨタマヒメは、恥ずかしい姿を見られてしまっては一緒に生きてはいけないと言い残し、生まれた子を残し海に帰っていきました

覗いてはいけない

この禁忌を犯してしまったことこそ、玉手箱の開封と言えましょう

山幸彦は一瞬で幸せを手放してしまったのです

今でこそ立ち会い出産は当たり前の風習ですが、かつては絶対に男性に見られてはならない禁断の領域だったのかもしれません

さて、生まれた子は、産屋の屋根を葺き終える前に生まれたので

鵜草葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト)

と名付けられました

トヨタマヒメは、生まれた子を不憫に思ったのでしょう妹の玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)

を子供の育て親として遣わします

やがて、

ウガヤフキアエズノミコトと叔母に当たるタマヨリヒメノミコトが結婚し、4人の子が生まれます

育ての親が育ての子と結婚したのです

4人の子は

彦五瀬命(ヒコイツセノミコト)稲飯命(イナヒノミコト)三毛野命(ミケヌノミコト)若御毛沼命(ワカミケヌノミコト)です

この若御毛沼命(ワカミケヌノミコト)こそが、神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコノミコト)と呼ばれる後の初代天皇、神武天皇(じんむてんのう)なのです

神武の東征、即位

古事記上巻は、ここまでの内容となっています

中巻以降は、現代教育でもある程度学ぶところですので、あえて今回の古事記紹介は上巻までにしたいと思います

この後、カムヤマトイワレビコノミコト(神武天皇)は軍勢を率いて東征を行い、大和(やまと)の地にいた豪族ナガスネヒコを打ち倒し即位、初代天皇の誕生となります

神武天皇の即位です

私個人の見解ですが、古事記上巻は宇宙誕生から縄文時代の始まり、そして縄文時代の終焉までを描写しているのではないかと思います

縄文時代のはじまり

それはイザナギ、イザナミの登場です

縄文人は海洋民族です

イザナギ、イザナミの子アマテラス、ツクヨミ、スサノオはそれぞれの使命を果たします

ツクヨミ、スサノオは大陸に渡りました

アマテラスは高天原にいたとありますが、日向の国、現在の宮崎県にいたのではと思います

やがて大陸から渡来人が日本へ渡り稲作が伝わります

稲作の伝来と共に、各地は小さな国が乱立し争いごとが生じます

穏やかな縄文人の生活が奪われていきます

弥生時代のはじまりです

そんな折でしょうか

スサノオは出雲へ帰還します

やがて出雲アマテラスに目をつけられ、オオクニヌシ出雲アマテラスに譲渡します

ここから大和の地を牛耳る豪族達を打ち破り、神武天皇の即位を迎えます

アマテラスから神武の即位までを、天孫降臨という描写で表現した古事記は、まさに日本人のルーツを証明する大作なのです

いかがでしょうか

かなりざっくりとした解説ですが、ここまで国の成り立ちをしっかり説明している文書はそうそうありません

旧約聖書がユダヤ人のルーツを解説しているのと全く同等のレベルと言って良いでしょう

つまり古事記は日本版聖書であるとも言えます

古事記は現代人に必要なツール

現代人はなぜ、豊かな日々を歩みながらも悩み傷つくのでしょうか

恐らくそれは、自分が何者なのかもわからないという漠然とした不安が原因なのではないでしょうか

しかしながら、私たち日本人は、まぎれもなくイザナギ、イザナミから生まれた縄文人の子孫です

イザナギ、イザナミが実在したかはさておき、縄文人の始祖は間違いなく存在したのです

イザナギ、イザナミはその始祖達の代名詞かもしれません

穏やかで協調性を持ち、他者を思いやること

八百万の神(やおよろずのかみ)に畏怖と感謝の念を持ち、目に見えないものを敬う心

それらを育みながら生きてきました

それが真の日本人の姿です

そして、かつてはその心を、親が子に自然に教え語り継いできたのです

いつしか失われつつある本来の日本人の姿

古事記には、それを教えてくれる魅力が完タップリ詰まっているのです

おもしろすぎる古事記の世界