キューバ革命とキューバ危機1
カリブ海に浮かぶキューバ島。
現キューバ共和国のこの島で、かつて世界を破滅しかねないある事件が起きました。
コロンブスが上陸したのもこのあたりじゃなかったっけ?
サトウキビとか有名ですよね。
コロンブスが上陸した時「この世で一番美しい」と褒めたたえたのもこの島です。
コロンブスが上陸してからは、キューバはスペイン領となります。
大航海時代!
このキューバ島で起きた世界を破滅しかねない事件。
それはキューバ危機と呼ばれます。
キューバ危機?
そして、キューバ危機のきっかけとなったのがキューバ革命です。
キューバ革命?
キューバ革命とは、キューバで発生した社会主義革命です。
ラテンアメリカ(南アメリカ)での初の社会主義革命。
それがキューバ革命です。
そして、それを機にソ連とアメリカの一発触発の危機的状況が生まれました。
なぜ小さな島国のキューバで社会主義革命が発生したことにより、アメリカとソ連が一発触発の状況となったのか。
ここでは歴史的にも著名な人物が多く登場します。
ジョン・F・ケネディ、フィデル・カストロ、チェ・ゲバラ、フルシチョフ。
それらの人物を紹介していきながら、さあ行ってみましょう。
もっと詳しくキューバ革命とキューバ危機!
コロンブスとキューバ
キューバ島はカリブ海、西インド諸島の中でも最大の島です。
エメラルドグリーンに輝く海は「カリブ海の真珠(しんじゅ)」と例えらえ、現代では世界有数のリゾート地となっています。
さて、このキューバですが、歴史の表舞台に登場するのは1492年のことです。
コロンブスの上陸がきっかけです。
コロンブスは当初、インドへ向かう航路を探索していました。
スペインから西へルートを取った新たな航路です。
当時、アメリカ大陸の存在は認知されていませんでした。
そのため、コロンブスは単純に西へルートを取ればインドへ到達すると考えたのです。
仮にアメリカ大陸が存在しなければ、スペインから西へインドへ向かうと、初めに日本に到着するはずです。
当時、日本はマルコ・ポーロの東方見聞録(とうほうけんぶんろく)により黄金の国ジパングとして紹介されていました。
黄金が散りばめられた美しい国
それがジパングのイメージでした。
キューバやハイチの美しい島の風景を見たコロンブス。
彼は当初、この地をジパングと勘違いしたそうです。
いかにカリブの海と島々は美しく、コロンブスを魅了したかがわかります。
変わりゆくキューバ
キューバには元々先住民が暮らしていました。
しかし、コロンブスに発見されたことにより、彼らの運命は大きく変わっていくことになります。
コロンブスはスペインのイサベル女王の下、新たな航路開拓のために航海を始めました。
よって、コロンブスに発見されたキューバは、長らくスペインの統治下に置かれることになります。
キューバは、さとうきびの世界有数の産地です。
スペインは砂糖により大きな利益をあげ、プランテーション産業を確立させていきました。
先住民達は奴隷にされ、重労働や疫病の末、絶滅したと言われています。
産業革命、そして資本主義へ
大航海時代の幕開けとともに、人類は大きな飛躍を遂げました。
新たに広大な土地や資源を手にし、植民地支配が始まりました。
やがて人類の革新とも言える産業革命が始まります。
産業革命は人類の生活スタイル、価値観を一変させました。
産業革命は資本家を生み、本格的な資本主義社会が確立していきます。
しかし、労働者の幸福を奪い、一部の資本家だけが潤う資本主義システムに異を唱える思想が芽生えていきます。
これがマルクス主義であり、以後の社会主義思想へとつながっていきます。
社会主義運動は資本主義思想を真っ向から否定する運動です。
資本主義と社会主義。
これら二つの概念は、絶対に歩み寄れることのない磁石で言えばSとS(NとN)の関係なのです。
端的に言えば、これから説明するキューバ革命とは、
資本主義大国アメリカに隷属するキューバを解放し、社会主義政権を確立するための革命です。
アメリカの傀儡(かいらい)国家
キューバはコロンブスに発見されて以来、スペインに支配されてきました。
1902年にスペインから独立以来、キューバは長らくアメリカの傀儡(かいらい)国家となってきました。
傀儡(かいらい)とは「言いなり」「操り人形」の意です。
キューバは独立国ながらも、アメリカの都合の良いように扱われてきました。
理由としては、キューバがスペインから独立する際に支援したのが、アメリカ合衆国であったことがあげられます。
しかし、その他に重要な要素があります。
まさにそれが資本主義による弊害(へいがい)です。
一部の特権階級の身分にあるものだけが潤う資本主義のシステム。
キューバの政権を担う者達、そして一部の富裕層はキューバ内へのアメリカ資本の介入で大いに潤ったのです。
例えばさとうきび。
キューバはさとうきびの世界有数の産地です。
アメリカの企業が介入し、砂糖を輸出し大きな利益を生みました。
キューバのさとうきび畑はほとんどがアメリカ人所有でした。
つまり、アメリカ人地主による経営です。
その利益は当然アメリカやキューバのごく一部の富裕層だけが手にします。
あくせく働くキューバ農民たちは、全くその恩恵は受けられませんでした。
このように、一部の良い思いができる人間たちによりキューバは支配されていました。
大国アメリカに従っていれば守ってもらえる。そして莫大な利益も得られる。
その考えが、長らくキューバ政権内に浸透し、結果、キューバ政権はアメリカの傀儡(かいらい)政権となってしまったのです。
当然、農民や貧しい人々の中に大きな不満が募ることになっていきます。
ここでもやはり資本主義と社会主義の対立があるのですね。
どっちが正しいんだろう。
どちらが正しいとは断言できません。
しかし、いつも言うように、何事もほどほどが良いのは確かです。
極端な思想に固まると、必ずどこかで不満が生まれます。
確かに、現代社会では労働者の地位もある程度は保障されていますもんね。
昔は劣悪だったのでしょうね。
展開的にはここでヒーローが登場してカクメー(革命)!!てなるんでしょ!?
はい。
次回は二人の英雄、フィデル・カストロとチェ・ゲバラの登場から話を進めていきますよ!!
1492年、コロンブスによりキューバ島が発見される。
キューバはスペインの支配下に。
キューバの独立をアメリカ合衆国が支援
さとうきびを主に、アメリカ資本が参入し、キューバの一部富裕層が富を得る。
結果、長らくキューバはアメリカの傀儡(かいらい)国家となる。
キューバの農民や貧しい庶民たちの不満が爆発する。