鎌倉幕府と執権政治

簡単に武士の時代とは言っても、しょせん政治に関してはド素人です。
頼朝としては、鎌倉幕府の仕組みを整えることが急務でした。

大切なのは武士同士の団結を強めることです。
頼朝に従う武士を御家人（ごけにん）と呼びますが、まずは御家人との絆を強くすることに着手しました。

頼朝は御家人の領地は守ることを約束し、御家人は頼朝に対し生涯の忠誠を誓います。
これを御恩と奉公と言います。

御恩と奉公、守護と地頭これらが鎌倉幕府を支える仕組みです。

ところが、頼朝の死後、２代将軍、３代将軍と力振るわず、幕府の実権は将軍から北条氏（ほうじょうし）に移っていきます。

頼朝の妻、北条政子の家系です。将軍の補佐に執権（しっけん）と言う職があり、代々北条家が担ってきました。
将軍家の弱体で御家人同士の争いが起こります。それを強い統制力でまとめたのが時の執権、北条時政です。

朝廷としては千載一遇（せんざいいちぐう）のチャンスです。
まとまりきれない御家人たちのスキをつき討幕のため立ち上がります。

誰が見ても鎌倉幕府は絶体絶命のチャンスでした。
しかし、なんとか幕府はこの危機を乗り越えます。
あるヒロインの力です。

承久の乱は勝つには勝ちましたが、鎌倉幕府の制度的な弱さが露見した事件でした。

初めての武家政権で政治面ではド素人の武士たちです。
その道のプロを政権に組み入れたりもしましたが、伝統ある朝廷の律令には及ばないものがありました。

そこで、まず京に六波羅探題（ろくはらたんだい）を置きました。
鎌倉と京は遠く離れています。朝廷の動きを監視するために設置されました。

５１カ条からなる法律です。
土地に関することであったり、争いごとに関することであったり、武士や庶民の生活の規範を定めました。

人と人が共存する場合、必ずもめ事が起きます。
現代社会も事細かに法律が定められているんですよ。
例えば、やまとさんの家から伸びているみかんの木が、やよいさんの敷地に入り込んでいます。
みかんの実がやよいさんの庭に落ちました。さあ、みかんは誰の物？

ははは。ほら、そんな些細なことでも近隣トラブルは発生しますし、エキサイトすればケンカにもなりますね。

そこまで細かいこものではないですが、御家人や庶民の生活を正すルールや、トラブルを解決するための基準を定めたものが御成敗式目です。

御成敗式目は長く武士たちの規範になりましたから、相当な効果はありました。
御家人たちはひとつの規範（ルール）が出来たために、鎌倉幕府の内部は安定しました

他にも、北条泰時は執権だけで全てを決定するのではなく、評定衆（ひょうじょうしゅう）を交えた、いわゆる会議方式（評定）での決定を制度化しました

このようにして、鎌倉幕府は制度を整え直し、新たな武家政権の道をスタートさせたのです。

ははは。興味があったら民法でも読んでみてくださいね。
さあ、次回は日本史上初、敵国からの侵略危機が迫ります。
どう日本は乗り切るのか。お楽しみに！