世界平和への歩み - 中学生のための、よくわかる歴史
明治維新~現代
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世界平和への歩み

yamamira
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第二次世界大戦後の世界

第二次世界大戦終結後の世界がどのように変化していったのか、見ていきましょう。
今日で私の授業は最後となります。よろしくお願いします。

あっという間だったな。

歴史の流れがよくわかりました。
ひとつひとつの出来事がつながっている。
その意味がよくわかりました。

ポツダム宣言の前に話が戻りますが、1945年の8月8日に、ソ連が第二次世界大戦に参入しました。
日ソ中立条約を破棄し、満州国や朝鮮半島へ侵攻してきました。

中立であったソ連の行動は、各地に滞在していた日本人に大混乱をもたらしました。
満州に攻め込んだソ連は、一気に遼東半島まで攻め上ります。

私の亡くなった祖母は、当時の状況をこう話していました。

「白鬼(ロシア人のこと)に殺される。という思いで夜通し泥だらけになりながら走り続けた。途中力尽きて走れなくなった人もいたが、あの人はどうなってしまったんだろう」

祖母はまだ生まれたばかりの長男(私の叔父)を抱きかかえながらの逃走劇を行い、なんとか長男も連れ日本へ帰国することができたのです。

大連港からの出国に間に合わなかった日本人は、収容所送りになり、そこで命を落とした人も大勢いました。
現地で親と生き死に別れした子供たちは、中国の人々により育てられました。

この子供たちが残留孤児(ざんりゅうこじ)です。

帰国した肉親らは、1972年の日中国交正常化に伴い、残留孤児探しを始めることができました。
日本へ帰国できた残留孤児とその家族は、20000人以上にのぼります。

北緯38度線


第二次世界大戦中、日本に併合されていた朝鮮半島は、ヤルタ会談(ソ連の大戦参入が決定した会談)においてアメリカとソ連の分割統治が決定しました。
その分割の際に使用されたのが、北緯38度線です。
このラインより北側がソ連の影響が強い北朝鮮人民民主主義共和国(北朝鮮)、南側がアメリカの支援するが大韓民国(韓国)が誕生することになります。

そして、戦後、アメリカとソ連は対立していくことになります。
資本主義陣営対社会主義陣営の戦いです。

国際連合と冷戦

1945年10月、世界大戦の反省から国際連合が発足されました。
国際連合には、世界の平和と安全を維持する機関として安全保障理事会が設置されました。

国際連盟の生まれ変わりですね。
今度こそうまく行ってほしいです。

ところが、なかなかうまくいかなかったのです。
先ほどの資本主義陣営対社会主義陣営の戦いが始まったのです。

冷たい戦争(冷戦)


東ヨーロッパ諸国がソ連が支配し社会主義の東側、アメリカが支配する資本主義陣営の西側に分裂し争いが始まりました。
と言っても、実際に戦火を交えることはほとんどなく、にらみ合いの戦いです。
アメリカもソ連もお互いに核を保有していたため、戦争が始まれば双方とも壊滅状態になることは理解していました。

お互いに常に核を発射できる状態でにらみ合う。
この状態を冷戦と呼びます。

資本主義と社会主義の争いは、ひとつの国を分断させてしまうこともありました。
例えばドイツ。
こちらは社会主義陣営の東ドイツと資本主義陣営の西ドイツに分裂してしまいます。
ベルリンの壁は東西ベルリンを壁で分断し、市民が自由に行き来できないようにしたものです。

結局は国の都合ですね。
どれほど一般人を被害にあわせれば納得できるんでしょうか。

そして中国です。
毛沢東率いる中国共産党はソ連の支援の下、中国国民党に勝利します。国共内戦です。
1949年、中国には毛沢東を主席とする中華人民共和国が成立しました。
アメリカが支援する中国国民党(蒋介石)は、台湾に逃れました。

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ここにもソ連とアメリカの影響があるんだ。

そして朝鮮半島ですね。
北朝鮮と韓国。これもソ連とアメリカの陣営です。

占領下の日本

さあ、そして戦後の日本はどのような歩みを進めたのでしょうか。
見ていきましょう。

GHQの占領政策


日本の本土は、アメリカ軍を主力とする連合国軍に占領されました。
日本の戦後改革はGHQが主導で行いました。

GHQは連合国軍最高司令官総司令部の略です。
最高司令官はダグラス・マッカーサーです。

GHQの基本政策は、日本を徹底的に非軍事化することでした。
軍隊を解散させ、軍や政府などの指導者を極東(きょくとう)国際軍事裁判にかけました。
いわゆる東京裁判です。

東条英機元首相などが、「平和に対する罪」を犯したA級戦犯として有罪判決を受け、処刑されました。

そして、これまで神格化されてきた天皇が「人間宣言」(1946年)によって神格化を否定されました。

従来使われてきた教科書も、軍事的な記述がある個所を墨で塗られました。
子供への教育から徹底的に軍国主義精神を排除したのです。

日本国憲法の制定

GHQが目指したものは、徹底的な日本の民主化です。
そのために必要なことは憲法の改正です。

日本国憲法


こうしてできた日本国憲法が、現代日本を支える現行憲法です。
新憲法は、国民主権基本的人権の尊重、平和主義の3つを基本原理としています。

主権が国民に移ることにより、天皇の統治権は失われ、天皇の立場は国家の象徴(シンボル)とされました。

また、民法が改正され男女の本質的平等も定められました。
男性優位の社会から男女平等への社会へ一歩進みだしたのです。

選挙法も改正され、満20歳以上の全ての男女に選挙権が与えられました。

今の憲法はこうした経緯でできたんですね。

当たり前に暮らしているとわからないけど、昔と比べると、今はだいぶ自由になったんだろうね。

植民地支配の終わり

植民の支配を受けていた国々が、大戦後に独立を果たしました。
アジアやアフリカでは多くの国が独立を果たしました。

ようやく支配から解放されたんですね。

日本も全ての植民地を失いました。
日本の領土は北海道、本州、四国、九州と周辺島々に限られました。

日本の国際社会復帰

長らく占領下に置かれた日本。
しかし、大きな転換期を迎えます。
冷戦が激しくなると、アメリカは日本を重要視することになったのです。

日本をですか?

社会主義陣営に対抗するためでした。
アメリカは日本を資本主義陣営の強力な一員とみなすようになったのです。

日本を重要視しはじめたアメリカは、GHQの政策を日本の非軍事化から経済復興に重きを置くことになりました。

1950年に朝鮮戦争が勃発すると、日本の基地が使われることになり、大量の軍需物資が日本で調達されました。
これにより日本は好景気(特需景気)になり、戦後復興の手助けになりました。

さらに1954年には自衛隊が組織されることになりました。

こうした日本への期待もあり、アメリカは日本との講和を急ぎました。
1951年、サンフランシスコ平和条約に調印し、日本は国際社会へと復帰することになります。

戦争がきっかけで国際社会へ復帰。
皮肉なようですが、朝鮮戦争が日本の復帰を後押ししたことは間違いありません。
このあと日米安全保障条約が結ばれ、アメリカ軍基地が日本国内に置かれることになります。

世界平和への歩み

現代社会は多くの諸問題を抱えています。
そしてそれら諸問題は、現代に始まったことではなく、歴史的なつながりを持ちます。

テロや宗教問題、公害、様々な問題があると思います。

冷戦は既に終結しています。
しかし、国家間の争いがなくなったかと思えば、新たに現れたのが民族間の紛争、そしてテロの問題です。

何かにつけて戦争は起こるんだね。

現代の世界情勢は複雑です。
中東では民族だけではなく、宗教問題も絡み、さらには第二次世界大戦後の世界の動向も絡み紛争が絶えません。

そういうことも勉強したいです。

明治時代~現代の授業はこれで終了となりますが、今後は「歴史、もっと詳しく知ってみたい!」のほうで随時更新していきます。
世界の諸問題もそちらで扱っていきますので、是非楽しみにしていてください。

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そうか、これで先生の授業も終わりなんだね。

人類の始まりからあっという間でしたね。
初めに私が言ったことを覚えていますか?

歴史はヒューマンストーリーですね!

そのとおりです。歴史は人が作っているのです。
一人一人の人生が絡み合ったもの。それが歴史です。
誰しもが自分は正しいと思い行動してきた結果が歴史です。
ですから、ある行動を無下に否定するのではなく、事実を受け止めることです。

その事実を、今後どう生かしていくかということですね。

どこの国の人も、たくさん悲しい思いをしたもんね。

過去の行いを批判したところで何も生まれません。
歴史を学ぶことは未来に生きることです。
その責任を現代を生きる私たちは背負っているのです。

宇宙から見た地球
そこには、どこにも国境など見当たらない。
私たちは、この大きな地球の上で生きる同志たちです。
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ならぼん
ならぼん
歴史大好き
歴史が好きすぎて日々の仕事よりもブログの更新ばかり考えています。現在世界で起こっている出来事は、すべて過去の遺物です。良くも悪くもその遺物の中で私たちは生きています。歴史を1本の線で捉えることができたとき、私たちは今何をすべきかが見えてきます。中学生の皆さん、歴史を勉強だと思わずに味わい尽くしましょう。その一助となるためにこのサイトを立ち上げました。ひとりひとりの思いが集まれば、世界は必ず変わります。みんなが安心して暮らせる世界を作っていきましょう。 管理人 ならぼん 身分 しがないサラリーマン 大好きなキャラ 野原ひろし 中学教員免許保持者
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