中国の王朝
中国史の重要性
中学校の社会科歴史の授業と言うと、どうしても日本の歴史についてだけ学ぶイメージがあります。
しかし、実際はどうでしょうか。
弥生時代には、稲作が朝鮮半島から伝わりました。
邪馬台国の女王卑弥呼は中国の皇帝に使いを送ります。
日本の各国(当時、日本には複数の小国が存在していました)は、国の存亡のため、中国の後押しを必要としていたのです。
7世紀になれば、遣隋使、そして仏教の伝来と、より中国との関係は密接なものとなってきます。
9世紀には、遣唐使の廃止があります。
長らく中国から影響を受けてきた日本の文化から、日本独自の文化に移行し、国風文化が生まれます。
鎌倉幕府末期には、歴史上名高い「元寇(げんこう)」が起こり、日本史上初の列島侵略の危機に陥ります。
元寇は元(モンゴル帝国を祖とする王朝)に寄るものですが、事実上中国から押し寄せてきた危機には相違ありません。
その後、日本は戦国時代を経て、鎖国に入ります。
しかし、黒船ペリーの来航により、外国の脅威を目の当たりにした日本は、大政奉還を経て、明治維新へと進みます。
その後、日清戦争であの大国中国に勝利します。
弥生時代には、危険な航海を冒してまで大陸に渡り、中国王朝の皇帝に臣下の礼を尽くした日本。
その日本が日清戦争で勝利するなど、一体誰が想像できたでしょうか。
日清戦争に勝利し、大陸への進出の足掛かりを得た日本は、その後、軍部による満州国占領にまで至りました。
ざっと時系列的に言葉を並べても、日本史への中国の関わりの強さをうかがい知ることが出来ます。
つまり、日本の歴史を学ぶ上で、中国の歴史を学ぶ事は絶対不可欠なことなのです。
歴史の勉強をしていく上で、中国の動きを常に意識することは、とても重要です。
当サイト「中学生のための、よくわかる歴史」では、日本の歴史のみならず、中国、朝鮮、そしてヨーロッパの日本への関わりも紹介して行きますので、楽しんで、学習してください。
中国の王朝
中国は実に多くの王朝が統一しては、滅ぶと言う歴史を繰り返しています。
各王朝が、日本のどの時代に存在していたかをしっかり把握することで、日本史と世界の流れが一致し、歴史の勉強も非常に面白くなります。
紀元前4000年前、中国には中国文明が栄えます。農耕文明です。
長江の下流域では、既に稲作が始まっていたのです。
弥生時代に稲作が日本に伝わりましたが、紀元前4世紀の話です。(紀元前10世紀説もある)
早く見積もっても、中国では3000年以上も前に稲作が主流となっていました。
日本では狩りや採集の生活をしていたころにです。
いかに当時の日本と中国では、国力の差が段違いであったことがわかるでしょう。
そのため、中国皇帝から金印をいただくことは、日本の国々にとって重要なことだったのです。
夏(か)
中国最古の王朝とされています。
殷(いん)
紀元前16世紀に、黄河の流域に殷が起こりました。
青銅器や甲骨文字が作られました。
周(しゅう)
紀元前11世紀、殷は周に滅ぼされました。
やがて周の力は弱まり、多くの国々が争う戦乱の世になりました。
春秋戦国時代
(紀元前8世紀~紀元前3世紀)
漫画キングダムの舞台です。
秦が中国を統一
長い戦乱を経て、秦が中国を統一しました。
中国史上初めて「皇帝」を名乗りました。秦の始皇帝です。
しかし、秦の政治は厳しく、統一後わずか15年で滅びます。
漢
漢は、紀元前2世紀に朝鮮半島に楽浪郡を設け中央アジアも支配に入れて、大帝国になりました。
三国時代
西暦220年~280年
いわゆる、魏・呉・蜀、三国志の時代です。
魏に卑弥呼が使者を送っています。
南北朝時代
隋(ずい)
581年~619年
聖徳太子の使者として、小野妹子(おののいもこ)が遣わされています(遣隋使)
唐
618年~907年
首都 長安
シルクロードの発終着点が長安です。
文化の交流点として大いに栄えました。
遣唐使の派遣
宋(そう)
960年~1127年
平清盛が日宋貿易を行っています。
元(げん)
1271年~1368年
モンゴル帝国のフビライが宋を滅ぼし、支配しました。
有名な元寇(げんこう)が起きました。
明(みん)
1368年~1644年
豊臣秀吉が朝鮮半島を支配化したのち、進出を目論みました。
清
1616年~1912年
中国最後の王朝です。
欧米列強の進出により苦境に立たされました。
日清戦争により日本に大陸進出のきっかけを与えました。
中華民国
1912年~1949年
辛亥革命で清を倒して成立。
中国共産党に追われ、台湾へ。
中華人民共和国
1949年~
中国共産党が、国民党との内戦に勝利し、現代まで統治が続いています。
ざっと並べると、このような流れになります。
細かく言えば、さらにいくつかの王朝が間に入りますが、中学生の歴史では、上記各王朝をおさえれば、まず問題ありません。
学習のポイント
歴史の勉強をする上で、今はどの時代の勉強をしているのかを、常に意識して下さい。
そして、その時、中国ではどのような王朝が成立していたのかを意識すると、より、学習効果があがります。
中世に入ると、ヨーロッパの状況も介入してきます。
なぜ、ポルトガル人の所有した鉄砲が、種子島に到着したのか。
なぜ、あの時期にフランシスコ・ザビエルが布教にやってきたのか。
なぜ、ぺリーはあの時日本にやってきたのか。
是非、世界的な視点で、日本の歴史を追ってみて下さい。
感動的なこの人間ドラマを、勉強と言う視点ではなく、大いに楽しんでみてください。