世界の文明と宗教
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世界におこった文明
さあ、今日は先延ばしにしてきた、世界の文明と宗教のお話です。
本当だったら人類の始まりのすぐ後に習うところですね。
前回で、古代の日本史は終えましたが、中国や朝鮮半島との関わりの強さを理解してもらえたはずです。
関わりの強さと言うより、中国や朝鮮半島があっての日本て感じだったもんな。
先に日本史をやってしまった意味はそこにあります。
世界とのつながりを感じながら、学習すること。
それが歴史を楽しくする重要ポイントです。
今日もよろしくお願いします。
まずは下の図を見てください。
各地の文明の発祥地です。何か気付くことはありますか?
川とか海の近くで発祥したことが共通だと思います。
そうですね。そして気を付けていただきたいのが、年代です。
歴史を学習する際のポイントです。
年代の違いを意識してください。
教科書は便宜的に、一枚の図に全ての出来事を書きこみます。
しかし、実際は同時期ではないことが多いのです。
上の図で見ると、中国文明の発祥と、ギリシャ文明の全盛期とでは、およそ3500年の差があることがわかると思います。
よって、歴史の勉強をする際には、必ず年表と地図帳を手元に置いてください。
中学社会 歴史年表書きこみノート
中学校社会科地図 (Teikoku’s Atlas)
例えば、日本の鎌倉時代を勉強するとします。
その同時期に、世界がどのように動いているかを常に年表で確認してください。
そうすることで、時間の流れを間違えずに学習することが出来ます。
地図帳も活用するメリットは、地理の勉強も一緒にこなせることです。
例えば、エジプト文明がおこった地域は何気候なのか。
ギリシャ文明のあたりではどのような農業が行われているのか。
中国文明の長江では、どんな農業が盛んなのか。
ちょっと思い出すことが、立派な勉強です。
どうせなら一緒にやってしまった方が効率が良いのです。
文明とは、人間が作りだした高度な文化、社会を言います。
そこには、言葉はもちろん、文字の使用、定住のための稲作やそれに代わる作物の栽培が必要です。
稲作や作物の栽培には水が必要だから、海や川の近くに文明がおこって行くんですね。
日本の弥生時代も思い出してください。まずは稲作から始まりましたね。
そしたら村が出来て国が出来て、日本が統一されて、律令国家になって。
その流れを掴めていたら、古代はバッチリです!やまとさん。
やった!ほめられた!
文明の発達には稲作やそれに代わる作物の栽培、定住が必要不可欠です。
日本では、紀元前4世紀(紀元前10世紀説もあり)にようやく稲作が伝わり始めました。
そりゃわざわざ金印をもらいに行くよな~。
各文明は、上の地図の通りです。あとは、各文明の特徴を見ていきましょう。
ナイル川流域に発生
国王の墓としてピラミッドが建設された。
天文学が発達・・・ナイル川の氾濫時期を知るためであった。
太陽暦が作られた・・・太陽を基準に1年を365日12か月にわける。
象形文字の発明
チグリス・ユーフラテス川流域に発生
国々の守り神をまつる神殿が作られた・・・ジッグラト
楔形文字が発明される。
月の満ち欠けによる太陰暦を使用
時間を60進法で測る
1週間を7日とする。
エジプトとメソポタミアをふくむ地域はオリエント(太陽ののぼる土地)と呼ばれる
インダス川流域に発生
アーリア人の侵入により、神に仕える神官(バラモン)を最高身分とするカースト制が生まれる。
黄河・長江流域に発生
紀元前16世紀に殷(いん)という国がおこり、漢字の元となる甲骨文字が作られた。
紀元前3世紀、秦の王が中国を統一し、帝国を築き初めて「皇帝」を名乗る(始皇帝)
始皇帝は北方民族の侵入を防ぐため、万里の長城を築いた。
その後、秦に変わり漢が中国を統一
朝鮮半島に楽浪郡を設け、大帝国を築く
シルクロードにより、中国から西へは絹織物、西方からは馬やぶどうが伝わる。
インドからは仏教が中国に伝わる。
朝鮮半島では、紀元前後に高句麗がおこる。
オリエントとヘレニズム
オリエントとは、古代文明が栄えたエジプトとメソポタミアの地域のことです。
オリエントとは「太陽ののぼる土地」と言う意味です。
古代ローマから見て太陽ののぼる土地はエジプト文明、メソポタミア文明のあった地です。
よって、この地をオリエントと呼びます。
都市国家(ポリス)の連合がペルシャの大国を打ち破ったことで、ギリシャの文明は全盛期を迎えます。
そのギリシャを紀元前4世紀にマケドニアが征服します。
有名なアレクサンドロス大王です。
アレクサンドロス大王の強さは留まることを知らず、東のペルシャを征服し、そのままインダス川にまで勢力を伸ばしました。
これにより、ギリシャの文化はオリエントの文化と結びつきました。
この融合をヘレニズムと言います。
アレクサンドロスの東への遠征は、様々な文化と結びつきながらの遠征でした。
す、すごい。こんなでかい国を一人で!?
すさまじい勢いで、各地を征服して行きました。
たくさんの国にまたがっていますね。いろんな文化が混ざって行く理由がわかります。
当時、インドでは仏教を厚く保護していました。
そこへさらに東に流れてきたヘレニズム文化が、熱心な仏教信仰と結びつき、ガンダーラ美術が誕生します。
ガンダーラ美術?
とても美しい、仏教とヘレニズム融合の美術です。
ギリシャ文化がオリエントの文化と結びついたのがヘレニズム文化です。
ヘレニズム文化が熱心な仏教信仰と結びつき、生まれたのがガンダーラ美術です。
特徴としては、ギリシャの彫刻文化です。
仏教と言えば、仏像を思い浮かべますが、仏像の数々を生みだしたのはギリシャ文化の彫刻です。
当時のインドは熱心な仏教国でしたが、仏像を造ると言うことはありませんでした。
しかし、ギリシャの彫刻文化が影響し、釈迦像を造るきっかけとなったのです。
その釈迦像が原型となり、各地に仏像が伝わります。
ギリシャ風衣装をまとった仏像は、ギリシャ文化と仏教との融合を物語っています。
アレクサンドロスがいなければ、仏像が存在しなかったかも知れないと言うことですか?
その可能性はあります。
ただ、あれほどの宗教ですから、別な形で仏像が生まれていたとは思います。
ギリシャ風衣装をまとった仏像は、おそらく誕生しなかったのではないでしょうか。
大仏も出来なかったかもしれないんだ。アレクサンドロス大王すげー!
世界の宗教
さて、世界の宗教と言うと、何を思いますか?
やっぱ仏教だね。散々今までの話で出てきたし。
私はイスラム教です。断食とか女性は肌を見せてはいけないとか、厳しそう。
世界各地の宗教を見てみましょう。
なんかちょっと変なとこがあるよ。
聖地エルサレム?
宗教に関しては、とても奥が深く、ここで全てを話すことは出来ません。別の機会に話をしたいと思います。
はい。詳しく聞いてみたいです。
ここまで、古代の話をたくさんしてきました。
ひとつひとつの出来事が点だとすると、点は線でつながりましたか?
はい。詳しく聞いてみたいです。
なんとなくだけど、つながった気がする。
教科書だとひとつの単語でしかないことが、たくさんの人が関わっている出来事なんだってわかりました。
これから先、もっともっと多くの点が出てきます。そして、全ては今、ここにいる私達につながっていることを実感出来ると思います。
お米を食べる時に、このお米のせいで争いが生まれたんだと思いました。
でも、このお米のおかげで文明が発達して、今の私達がいるんだなとも思いました。
先生が最初に、歴史は勉強じゃなくストーリーだって言ってたのがわかった。
次回からも楽しみだな!
二人ともそう言ってくれて嬉しいです。
では、また次回会いましょう!いざ中世の世界へ!