十字軍によって生まれたもの

キリスト教世界とルネサンスの単元です。
まずはルネサンスとは何なのかをおさえましょう。
次にルネサンスが起こった背景をおさえましょう。
十字軍によりもたらされたもの

イスラム教の国により、キリスト教の聖地エルサレムが占領されました。
聖地奪還のため組織されたのが十字軍です。
当時、ローマ帝国は東ローマ帝国(ビザンツ帝国)と西ローマ帝国に分裂していました。
西ローマ帝国では、カトリック教会の頂点に立つローマ教皇(法王)が強大な権力を持っていました。
ローマ教皇の呼びかけにより、西ヨーロッパ諸国の王や貴族は十字軍を組織し、聖地エルサレムの奪還を目指したのです。
結果的に十字軍による聖地エルサレムの奪還は失敗に終わります。
同時に教皇の権威は失墜してしまいます。
しかし、ここで重要なことは、十字軍の遠征により何がもたらされたのかです。
ヨーロッパとイスラムの融合

広大なヨーロッパを横断する遠征。
途上では様々な文化に触れることになります。
特にイスラム世界の技術の進歩は目覚ましく、それらはヨーロッパに持ち帰られ伝えられることになります。
火薬、占星術、錬金術。
さらにイスラムの国々はヨーロッパとアジアの中間に位置していたため、アジアの文化をヨーロッパに伝えるきっかけにもなりました。
羅針盤(らしんばん)や紙、それに意外なことですがトランプやチェスなどの娯楽も、元々は中国やインドで発祥し、ヨーロッパへ伝えられたのです。
数字の「0」を考えだしたのはインドという説があります。
「0」がない世界は大変でした。
例えば、1000という数字を紙に書く時、「1」に「0」を3つつければ済む話です。
ただ、それは「0」があるからゆえです。
「0」がなければ、黒丸を1000個書いたりなど、気の遠くなるような作業になるのです。
これらの「0」を本格的に使い始めたのもイスラム世界です。
アラビア数字と言われる理由もここにあります。
カフェの発祥地もイスラムの国々が発祥です。
イスラム教は飲酒が禁じられていたため、人々はカフェでコーヒーを飲むことを楽しみにしたのです。
ルネサンス(文芸復興)
ヨーロッパはキリスト教による支配が進んでいました。
遥か昔、ローマの皇帝により迫害されたイエス・キリスト。
しかし、いつの間にか立場は逆転し、教皇が皇帝を任命する世界に変わっていました。
神による絶対的な支配。
それが中世ヨーロッパの世界です。






古代ギリシア文化の復活
















宗教改革と免罪符

キリスト教のトップに君臨するのがローマ教皇です。
16世紀にそのローマ教皇が免罪符を売りだしました。
例え罪を犯しても、免罪符を購入すれば神の許しを得られるというものでした。
要は、「金さえ払えば罪を犯しても大丈夫」という内容です。
それほどカトリック教会内部は腐敗していました。
これに異を唱えたのが、ルターとカルバンです。
ルターはドイツで、カルバンはフランスやスイスでローマ教皇を批判しました。
「聖書こそが正しい」
それがルターやカルバンの主張です。

ルターやカルバンの教えは「カトリック教会に抗議する者」という意味で
プロテスタントと呼ばれます。
プロテスタントに対抗するために、カトリック教会はイエズス会を立ち上げ、カトリックの改革を目指します。
やがてそのイエズス会の一行はアジア、日本へと渡ってきます。
フランシスコ・ザビエルの来日が、それに当たります。