中学歴史教科書(東京書籍)の第6章は「二度の世界大戦と日本」です。
近代化を果たし、欧米列強の仲間入りを果たした日本。
日清日露戦争に勝利し、歓喜に沸く日本列島。
しかし、急激に力をつけすぎた日本は、欧米諸国から次第に警戒され始めます。
特にロシア。
ロシアと日本の関係は、今後特に注目です。
日清戦争から第一次世界大戦までは戦勝国である続けた日本。
しかし、小さな島国では国力が乏しく、海外の植民地を頼りにせざるを得なかった日本は満州を支配します。
日本の栄光と衰退、そして敗北。
第6章のポイントを握るのはロシアです。
日本の栄光と敗北まで。行ってみましょう第6章の概要です!
大国ロシアの動向

ロシアは満州に進出したい!




特に遼東(リヤオトン)半島の大連(だいれん)と旅順(りょじゅん)の2つの港をロシアは手に入れたかったのです。
ロシアは国土は広いですが、年中自由に使用できる港がありませんでした。
高緯度に位置するため、冬の寒さは厳しく大半の港が凍り付いてしまうからです。
帝国主義政策を掲げるロシアにとって、凍らない港(不凍港)を手に入れることは最重要課題でした。
その港こそ満州遼東半島の大連、旅順だったのです。





ロシアの方針変換






第一次世界大戦の開戦
サラエボ事件

バルカン方面への進出を試みていたロシアにとって、同じ民族であるスラヴ民族の独立運動は好機でした。
スラヴ民族の独立支援を名目に、ロシアはバルカン方面へ進出します。
1914年、事件は起きました。
オーストリアの皇太子夫妻がサラエボでスラヴ系セルビア人に暗殺されたのです。
オーストリアがサラエボに宣戦すると、スラヴ民族を支援するロシアを始め、各国が参戦しました。
これがサラエボ事件と呼ばれ、第一次世界大戦の引き金になった事件です。


ロシア革命
歴史上初の社会主義革命

当時、資本主義社会が急激に成長し、多くの労働者が生まれました。
しかし、労働者達の生活は非常に苦しく、資本家や資本主義政策そのものに対する不満が高まっていました。
「労働者のための社会を築こう」
それが社会主義思想です。
世界中の労働者達は、社会主義思想に陶酔していきました。
ロシア帝国内で戦争反対や労働条件改善が叫ばれる中、皇帝に対する革命が勃発。
社会主義者レーニン指導の下、革命は成功を収めます。
これがロシア革命です。
1922年に、ロシアは社会主義の近隣諸国と共にソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)を結成しました。



孤立する日本


ベルサイユ条約

ベルサイユ条約の結果、ドイツは海外の植民地を失い、領土を縮小され巨額の賠償金を課されました。
天文学的な数字の賠償金であったため、ドイツ経済は大混乱に陥りました。
ドイツ国民には失望、絶望しか残りませんでした。
アメリカのウィルソン大統領の提案で、世界平和と国際協調を目的とする国際連盟が発足しました。
日本は常任理事国に任命されました。
世界大恐慌の発生

ヨーロッパの復興のため、アメリカは空前の好景気を迎えました。
モノを作れば売れるため、どんどん景気がよくなります。
しかし、ヨーロッパの復興が進んでいくと、モノが売れなくなり過剰生産のシワヨセはアメリカ経済を直撃しました。
一気に株価が暴落し、金融恐慌が始まったのです。
そのあおりは瞬く間に世界中に飛び火していきました。
アメリカはニューディール政策、イギリス、フランスはブロック経済政策を行い恐慌に対処しました。
世界恐慌については、以下の記事で詳しく説明しています。


ファシズムの台頭

イギリス、フランスなどは文字通りブロック経済政策をしているため、完全に経済をブロックしています。
自国と植民地以外とは経済活動を行わない(ブロック)ため、ドイツや日本などは経済活動対象から外されます。
ドイツ、イタリア、日本は経済的にも孤立し、恐慌を乗り越える力が奪われていきます。
この状況を打開するために、ドイツ、イタリア、日本は植民地獲得に乗り出すことになります。











第二次世界大戦の開戦

太平洋戦争

日本はアメリカのハワイ島真珠湾を攻撃し、ついにアメリカとの戦闘に踏み切ってしまいました(パールハーバー攻撃)
初戦は勝利を飾った日本も、結局国力の差には敵わず、次第にアメリカに追い込まれていきます。
徐々に制海権を奪われ、とうとう沖縄島の戦いにまで発展します。
東京大空襲も行われました。
若者たちがカミカゼ特攻隊として敵機に体当たりし、命を落としていきました。
イタリアは早々に降伏、ドイツはヒトラーが自殺。
「もはや成すすべなし」
日本の孤軍奮闘が続きました。
しかし、1945年8月6日広島原爆、9日には長崎原爆の被害を受け、とうとう15日に天皇陛下の玉音(ぎょくおん)放送をもって、ポツダム宣言受諾を日本国民に知らせました。
事実上、日本の敗戦が決定しました。






第6章のポイントです。
ロシアを中心に覚えると、話がスムーズになります。
1 ロシアは満州への進出を狙っていた。
2 ロシアは日露戦争に敗北したため、バルカン半島への侵攻へと方針変換をした。
3 バルカン半島でのスラヴ民族によるサラエボ事件で第一次世界大戦が始まった。
4 ロシアでは社会主義革命(ロシア革命)が起こる。
5 ベルサイユ条約では、敗戦国のドイツに非常なまでの制裁が与えられる。
6 第一次世界大戦の影響でアメリカは好景気、そして一転世界恐慌へ。
7 ドイツ、イタリア、日本は植民地獲得に乗り出す。
8 第二次世界大戦が始まる。ドイツ、イタリア、日本の敗戦。
以上の流れを意識しながら、定期テスト対策第47回目~53回目を確認してください。
